中秋の名月と言えば旧暦の8月15日。日本では昔のようなお月見の風習がすっかりすたれてしまったとはいえ、ここ10年くらいのトレンドなのかSNS上では、やれ満月だ、新月だ、ブルームーンだとお月様がやたら注目を浴びることが多くなりました。さて、今年2018年の中秋の名月はいつ見られるかと言えば9月24日です。[月齢でいえば満月は25日ですが、暦の上では9月24日が中秋(旧暦の8月15日)のようです]
奇しくも今年の9月24日は毎月第四月曜日に参加している平塚中国語読書会の例会の日です。
先週そのことで主催者の方から下記のような内容のメールが届きました。
9月24日の9月例会は、今年は旧暦8月15日に当たり中秋節と重なりました。
日本でもお月見をしますが、中国人の月への思い、また月への思いに託した一家団欒への願いは、
日本のお月見の比ではありません。中秋節は4大伝統祭り(春節・元宵節・端午節)の一つになるほどです。
テレサ・テンの歌う「但愿人长久」、ご存知の方もおられるでしょう。
歌詞は北宋の文人蘇軾(=蘇東波)で、作曲は台湾の梁弘志です。
歌詞もメロディも素晴らしく、中華圏ではたぶん誰もが知る名曲です。
お暇な折にちょっと聞いて見て下さい。9月例会で歌えるといいなと思っています。
例会には歌詞を持参します。(URLには最初に広告が入るかもしれません)
www.youtube.com/watch?v=jPHAR0bJfXQ
「千里を隔てて同じ月を見る」、たとえこの日に会うことができなくても、
同じ月を見上げることで、思い合う互いの存在を、遠くにありながらも感じ取ることができるのは、
中秋の名月とこの古くから伝わる伝統行事のおかげです。
(みどりさんにお願いです。テレサ・テンのカセットを持っていたのですが、知らない内に失くしてしまいました。
テープかCDをお持ちでしたら、持って来て頂けませんか。歌も歌って頂けると嬉しいです。)
このテレサ・テンの「但愿人长久」は私が台湾で大学に入った一年目に寮のルームメイトがくれたカセットテープに収録されていた曲でした。日本にいたころには聞いたことのない曲で、当時、歌詞はさっぱりわからなかったけれど美しいピアノ伴奏が印象的で、そのカセットの中でもお気に入りの一曲でもありました。恥ずかしながら全く不勉強で、この曲が中秋節と結びつくとは思いもよりませんでした。
ところで、読書会でみんなで歌うからには私も事前にしっかり歌詞を読んで、歌も練習しなくては…と改めてCDを聴いてみると本当に美しい曲。しかもテレサの明瞭な発音が日本人学習者の私たちにとって大変勉強になります。(王菲もテレサ・テンのカバーをして歌ってますが、発音を学ぶ目的ならば断然テレサ・テンバージョンがおすすめです)俄然やる気になった私は急遽中国語を学ぶ友人二人に声掛けして、読書会に先駆けて例によってZoomを使ってオンライン勉強会を開催させてもらいました。
明月幾時有 把酒問青天 Míngyuè jǐshí yǒu bǎjiǔ wèn qīngtiān
不知天上宮闕 今夕是何年 bùzhī tiānshàng gōngqué jīnxī shì hé nián我欲乘風歸去 唯恐瓊樓玉宇 wǒ yù chéng fēng guī qù wéikǒng qióng lóu yùyǔ
高處不勝寒 起舞弄清影 何似在人間 gāo chù bùshēng hán qǐwǔ nòng qīng yǐng hé sì zài rénjiān轉朱閣 低綺戶 照無眠 zhuǎn zhū gé dī yǐ hù zhào wúmián
不應有恨 何事長向別時圓 bù yīng yǒu hèn hé shì chǎng xiàng bié shí yuán
人有悲歡離合 月有陰晴圓缺 rén yǒu bēihuānlíhé yuè yǒu yīn qíng yuán quē
此事古難全 但願人長久 cǐ shì gǔ nán quán dàn yuàn rén chángjiǔ
千里共嬋娟 qiānlǐ gòng chánjuān【日本語意訳~~※私個人の解釈です。様々な訳が存在します】
月はいつからそこにあるのか 盃を掲げて空に向かって問うてみた
天上にある宮殿も 今は一体どの御代なのだろう
私も風に乗ってそこへ帰りたいのだが
冷たく美しい玉(ぎょく)でできたその宮殿はあまりに空の高いところにあるので
帰ったとしても私は寒さに耐えられそうにない
舞を舞うと月あかりにくっきりとと影が映し出されるこの世と天上の世界は所詮別世界なのだろう
月の光は朱塗りの楼をめぐり、飾り窓の低いところから 眠れずにいる者たちを照らしている
月は私になんの恨み事もあるはずないのに 何故親しい人と離れ離れになっている時にわざわざ団欒を表す満月の姿で私の前に現れるのか
人生には喜びと悲しみ、出会いと別れがあり 月には晴れや曇り、満ちる時と欠ける時がある
このことはいにしえから避けようがないことなのだ
せめて生きている間は永らえて 千里を隔てていても共に同じ月を見上げられんことを願う
カラオケやCDなどに合わせてこの曲を歌ってみたい方はまずはメロディに乗せる前に歌詞を音読をしっかり練習することをお勧めします。私も歌詞を音読してみたのでよろしければご参考に。。例会でも無事皆さんで音読して一緒に歌うことができますように!